就活で均質化する大学生たち
何度も変更されている就職活動のシーズンではあるが、現状(おそらく来年も)はだいたい3年生の終わりごろから動き出し、4年生の6-7月には終えたいという人達が大半という状況。
タイトルに「均質化」と入れたが、この時期に関しては大学生にすぐにどうこうできるというものではないので仕方がないということにしておく。
では何が「均質化」しているのか、それはモノの考え方である。
日本は就職活動の情報解禁等がよーいドンの一斉解禁システムなので、大学生もそれに合わせてほとんど同じ時期に皆動き始める。そして、ものすごい濃さとスピード感を持って終わる。これは皆さんご存知のとおり。
そして日本のほとんどの大学は勉強ではなく、人生を謳歌する夏休みを提供しているに過ぎない(大学教員の質は否定しない、ただ何もせずに卒業できるシステムが十二分に整っている)。これも多くの方がご存知の通り。
では、この二つが合わさってどうなるか、何も考えずに就活に突っ込まなければいけなくなる。するとどうなるか、見事にミーハーな大学生大量生産である。
セミナーに行けば、どこの企業であれ、就職あっせん企業であれ、同じような文言を並べ立てることに気づく。イノベーティブだとか、圧倒的成長だとかグローバルだとか、本当に聞いてて笑ってしまうレベルのものも多い。
ただ、百歩譲ってここまではいいとしても問題なのはそれぞれの企業や団体が自分たちのことを正義かの如く数ある企業の中で自分たちがベストチョイスであるという風に話すことである。そこまで全く勉強をしてこなかった学生たちの頭には基準となる知識が存在しないため、企業説明会で得た情報が頭の中で占める割合が大きすぎてしまい、一種の宗教のごとく最初に足を運んだ企業に心酔してしまうことは容易に想像がつくと思う。BtoC(消費者に直接価値を提供しているメーカー等を想像してもらえれば良い)の企業が人気が出るのも何となく名前の知れている企業が良いミーハーな学生が多いからである。
企業のやり方を間違っていると言っているのではない。おそらく自分の会社に心酔させることが出来るということはむしろ会社にとってベストなんだろうし、それはこれからも続いていく。問題なのは、ミーハー大学生の大量生産という結果である。だから、会社が同じことをやってきてもそれをきちんと取捨選択を自分で行える目を持っていれば良い。しかしここで効いてくるのが先述の超短期的就活である。惑わす側は超一流、惑わされる側はそれを見極める手段も時間も持っていないという永久ループである。
この間、高校時代の友人達と会い、時期が時期ということもあって話は就活のことが多めだったのだが、その友人たちの口から出てくる言葉に驚いてしまった。まさしく僕が鼻で笑っていた企業の人事担当者のそれなのである。多くの企業で聞いた言葉が本人の中でストックされていく中で鮮やかに洗脳されたのであろうが本人は自分の言葉でしゃべっていると思っている。本当に恐ろしい。そしてその話の浅いこと浅いこと。
働き方改革云々の前にマッチングの時点でこの惨状であるのだからどうしようもないと思う。問題は5時に帰れるか、7時に帰れるかではなく。5時に帰りたくなる仕事か、7時まで残ってもやりたい仕事かということではないのかといつも思う。給料の相場などどうでもいいだろ、お前はいくら必要なのかを考えろといつも思う。
ただ、救いはある。なんでもそうだが、気づいてない人たちは死ぬまで気づかない。知識がなければそれを悲観することさえできない。さっきの友人もおそらくそれを自分の知識が深まっていると考えるだろう。それでいい。それが一番だ。
僕はこんな文章を書いていると頭が悪い奴をバカにしているように聞こえるかもしれないが、まったく違う。起きている現象を客観的に分析して考えることが少しあるくらいでこの事案を解決するために会社を興したりする人種じゃない。知らないこと、恐れが無いことはある意味、人生を楽しむ一つの武器であるとすらさえ思っている。知識があれば世の中のひとつひとつのことに対して、認識する力がついて興味を持って楽しむことが出来るようになる、理解はできるがすべてじゃないことは小学校の夏休みが死ぬほど楽しかったことを思い出してほしいと思う。
北九州の成人式を楽しむ、毎年ニュースを賑わせるあの若者たちは自分たちが人生を一番楽しんでいると思っている。思っているのだからそれでいいのだ。
知らぬが仏。金言である。
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